いかなごのくぎ煮には釘を入れるの?くぎ煮といわれる理由やいかなごとはどんな魚なのかを解説。漁の時期・レシピなどもご紹介♪

いかなごの「くぎ煮」とはインパクトのある名前ですが、煮るときに釘を入れるからくぎ煮というのでしょうか?
実際には釘を入れるのではなく、煮あがったときの見た目がさびて曲がった釘に似ていることから、くぎ煮といわれるのです。
私は子どものころにくぎ煮という言葉の響きから「釘を入れて煮るのかな?」「もしかしたら釘みたいに硬い佃煮なのかもしれない」と思った記憶があります(笑)
しかし食べてみたところ当然のことながら、釘の味はしませんでしたし、もちろん硬くもなくおいしかったです。
でも、くぎ煮に使われるいかなごという魚のことはよく知りませんし、どのようなレシピで作られているのかも知りませんでした。
この記事ではくぎ煮になる「いかなご」という魚がどんな魚かも含め、捕れる時期やレシピなどをご紹介していきます♪
いかなごのくぎ煮は釘を入れるから「くぎ煮」という?

前述の通り、私は「くぎ煮」は「煮るときに釘を入れる」もしくは「釘みたいに硬い佃煮」と思ったことがあります。
子どものころ祖父母も一緒に暮らしていましたので、そんな疑問をぶつけてみたところ「見た目が錆びた釘に似ているからくぎ煮というんだよ。大丈夫だから食べてみなさい」と言われました。
おそるおそる食べてみると甘辛い魚の佃煮で、山椒の香りがしておいしかったのを覚えています。
くぎ煮と聞いて「もしかして煮るときに釘を入れるのかな?」と疑問に思うのは、実際に釘がおせち料理の黒豆やナスの漬物に使われたりするからかもしれませんね。
私は抵抗があり使ったことがないのですが、釘は黒豆やナスの漬物などの色を良くするのに役立ちます。
黒豆やナスに含まれる水に溶けやすい色素は、鉄(釘)に反応して定着するので色つやよく仕上がるのです。
釘を食べ物に使用するのに抵抗がある方には調理専用の鉄玉があります。
料理に使うと鉄分補給もできるので貧血が気になる方にもおすすめです♪
薄い卵型だと錆びたときのお手入れが楽でいいですよね!

話が逸れてしまいましたが、いかなごのくぎ煮にはそういった色素の定着も関係ありません。
いかなご漁の時期はいつ?どんな魚かも説明します

「いかなご」とは瀬戸内海から北海道まで広く分布している魚です。
夏になり水温が上がると砂の中にもぐって夏眠(かみん)するほど冷たい水が好きな魚で、本州では15cm程に成長しますが、夏眠しない北海道では30cmまで成長するそうです。
くぎ煮で使用するいかなごは稚魚なんです!私はしらす(主にいわしの稚魚)を連想しましたが、いかなごもしらすと同様に稚魚のうちから食べられることの多い魚なんですね。
小さいものは小女子(こうなご)と言われるそうで、関東ではよく使われる呼び名のようです。
地域によって違いますが、2月頃から4月頃がもっとも捕られる時期です。
くぎ煮は兵庫県の郷土料理ですが、近年ではいかなごの漁獲量が激減しているようで手に入りにくくなっています。
余談ですが、調べていて面白いと思ったことをご紹介します。
くぎ煮豆知識
- 漁師料理として「釘煎り(くぎいり)」という料理があった
- 釘煎りは味付けが濃かったが、のちに薄味に改良され普及して「くぎ煮」になった
私は「釘煎り(くぎいり)」が「釘入り(くぎいり)」を連想させるので、偶然とはいえおもしろいと思いました(笑)
いかなごのくぎ煮のレシピをご紹介します

いかなごのくぎ煮を作る際に最も重要なのは鮮度だそうです。
折れ曲がった釘のようにいかなごが曲がるのは、新鮮ないかなごの身が瞬間的に引き締まるからです。
鮮度が悪いと割れたり欠けたりもするので、くぎ煮を作る際には必ず新鮮ないかなごを使用しましょう!
では、レシピをご紹介します。新鮮ないかなごが手に入ったらぜひ作ってみてください♪
- いかなご 1㎏
- 醤油 180ml
- みりん 20ml
- 砂糖 250g
- しょうが 50g
- いかなごを水洗いする
- 醤油・みりん・砂糖・しょうがを鍋に入れ沸騰させる
- 2で沸騰させた煮汁の中にいかなごを少しづつパラパラと振り入れる(一度に入れると固まって団子状になってしまうため)
- 中火から強火で炊いていく(この時、箸などでかき混ぜると身がちぎれてしまうので触らない!)
- 時々アクをそっとすくい、鍋をゆらして全体をまぜるようにする
- 鍋をゆらしながら煮詰めていき、汁けがなくなったらザルに平らに広げて冷めたら完成
こちらが一般的なくぎ煮のレシピですが、山椒入りのものや唐辛子・ゆず入りのくぎ煮もあります。
私が子どもの頃に食べたくぎ煮には山椒の実が入っていました。
子どもは山椒が苦手な場合もあるかもしれませんが、私は昔から山椒が好きなのでおいしかったです。
まとめ

- くぎ煮はいかなごを煮るときに釘を入れるのではなく、仕上がりがさびて折れ曲がった釘に似ているためその名がついた
- くぎ煮にはいかなごの稚魚が使われるが、漁獲量が減っている
- おいしいいかなごのくぎ煮を作るためには何よりも鮮度が大事
くぎ煮というからには、煮るときに釘を入れるのかな?と思っていた方の疑問が解消できたならばとてもうれしいです。
私はこの記事を書いていていかなごの漁獲量が減っているのが心配になり、いつまでもおいしいくぎ煮が食べられるといいなと思いました。
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